17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/08(金) 06:26:25.03 ID:zsqJ1R27o
さて、女王春香は自らの力を愚かなる者たちに見せつけると事務所の中を見回した。
現在、この事務所内には春香たち三人しかいない。
社長は外出しているし、事務員である音無小鳥は765プロ劇場へとお使いに出ているところである。
ちなみにプロデューサーと百合子の二人は相変わらず冷たい床の上に正座させられているままであり、
蓄積する足の痺れに加えて体温を徐々に奪われるという地獄の責め苦に耐えていた。
このままでは二人ともトイレが近くなってしまう。と、言うより百合子は既に限界だ。
そうしてさらなる余談だが、事務所には男女兼用のトイレが一つしかない。
つまり彼女より先にプロデューサーが手を上げて、「閣下、トイレ」などと小学生のような宣言しようものならば。
「春閣下、トイレ――」
「我はトイレではないっ!!」
刹那、春香の放った怒りの衝撃波により挙手した恰好のまま後方へと吹き飛ばされていくプロデューサー。
彼が派手な音を鳴らして応接エリアを囲んでいるパーテーションを
ボウリングのピンもよろしく弾き飛ばしたのを目で追うと、百合子も今がチャンスとばかりにその手を上げ。
「はっ、春香さま! トイレ――」
「……百合子、貴様もか?」
「い゛っ、いえいえいえいえいえいえいえ!! "私"、トイレに行きたいです!」
手の平が見えるよう両手を相手に突き出して、否定の為に高速で首を横に振る。
そうして次弾を放つ構えを見せた春閣下様にへりくだると、
百合子は今まで味わったことがないほどのプレッシャーの中で息を飲みながら返事を待つ。
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