ムーディ勝山に受け流されたものたちが暮らしている街
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7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 20:53:38.85 ID:oGGqqfyD0

「ご馳走さま」
 私は席を立つ。
「マスター、お会計をお願いします」

「5UP(受け流しポイント)です」

 私は5回ほど何かを右から左へ受け流すような動作を取る。
 後ろから吹き出すような声が聞こえる。
 振り向くと、私以外に唯一この喫茶店にいた、
 どうやら常連らしい女性が口を抑えて笑っている。

「なんですか、それ?」と彼女は可笑しそうに私に問う。

「UP(受け流しポイント)です。
 常識も貨幣も通用しないこの街では、
 何かを受け流す動作をすることが貨幣の代替として
 使用されていると、初めてこの店に来たときに教わりました。
 ですよね、マスター」

「あれは嘘です」

 私はマスターのこめかみを殴る。


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