青空坂上 〜卒業するまで、しゃっぽーしようね!〜
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52:中村千歳 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2017/12/04(月) 23:05:51.37 ID:LYe2U+Pd0
[side-KOGAYA]
「お待たせしました」
昇降口で待っていると、キリカが走ってきた。
明日の陸上競技会を生徒会が手伝うことになってるから、その打ち合わせをやってたんだ。それがちょうど今終わったところ。
いつものように八幡坂下まで歩いて、川合津駅・原岡経由東本郷駅行きに乗る。キリカはそのまま本郷市役所前まで、私は浅間前で乗り換え。
そういや、明日の陸上競技会、新友会で来るって。
「新友会ということは、たかはるさんとおおのんさんも来るのでしょうか?」
そうだな。あとサッキーも。
「サッキーさん、時々お名前はお聞きしますが、どんな方なのでしょうか?」
そういやキリカは知らないんだったな。サッキーがさくらん……青木さくらだったってこと。
「サッキーさんが青木さんですか……それは本当ですか?」
本当だ。この間新本郷で会ったから間違いない。
「それは……何と言うか複雑な気持ちになりますね」
キリカもそうなのか。実は私もそうなんだ。
今まで仲良くしてた奴と突然音信不通になったと思ったら、別の奴と仲良くしてて、しかもそれが知り合いだったんだからな。
「私は少し違いますが……青木さんの友達だった幸ヶ谷さんを、私が奪ってしまった形になるのでしょうか。浅間前着きましたよ」
おっと危ない、乗り過ごすところだった。
急いでバスを降りる。
浅間前のバス停で、市大経由上洲中学校前行きに乗り換え。
八幡高校出身、サッキーこと青木さくら。
この前新本郷でかち合ったとき、さくらんはそう自己紹介した。
そうか。
さくらんはもう、さくらんじゃないんだ。サッキーなんだ。
八幡高校でも上洲中学校でもなく、新本郷第三高校の一員なんだ。
さくらんが選んだのは、私じゃなくてたかはるなんだ。
明日の荒磯公園で、何を話そうか。
たかはるは仲直りさせたいって言ってたけど、もしかしたら仲違いの会になるかもしれない。
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