8: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:20:42.19 ID:hv2zMcBs0
「キミさ。アイドルは興味ある?」
「何の話?」
「俺。346プロダクションって事務所でプロデューサーやってるんだ」
9: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:21:40.18 ID:hv2zMcBs0
2
1週間後、柚は契約書にサインをした。男は柚の担当になった。
「プロデューサーサン。改めてよろしくね」
10: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:22:08.17 ID:hv2zMcBs0
「厳しいのはともかく、辛いのは好きじゃないんだけどナー」
「その2つって同じじゃないの?」
「全然違うよ」
11: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:22:38.90 ID:hv2zMcBs0
「柚は辛いことを我慢し続けることが苦手だからね。辛い時に頑張っても続かないもん」
「…」
「あ、勘違いしないで。すぐにレッスンを投げ出したりするって意味じゃないよ」
12: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:23:12.09 ID:hv2zMcBs0
プロデューサーは柚の話を聞いて頬を緩めた。可笑しそうに笑った。
「アタシ変なこと言ったカナ?」
「逆、逆。すごい子だなって思わず笑っちゃっただけ」
13: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:23:52.99 ID:hv2zMcBs0
3
プロデューサーの言った通り、レッスンは厳しかった。
「喜多見、休むな! 足が動かなくなったところからが粘りどころだ! あと4セット行くぞ!」
14: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:24:18.96 ID:hv2zMcBs0
「柚ちゃん。最近スカウトされたんでしょ。そっちのレッスンもあるのに、部活に出てていいの?」
「うん。楽しいもん」
柚の答えはいつでもシンプルだった。
15: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:24:45.02 ID:hv2zMcBs0
2カ月も経つと柚は新しい生活に慣れてきた。
そして初仕事の話が入ってきた。
「最初の仕事は企業のキャンペーンガールをしてもらうことになったよ。一日限定だけどね」
16: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:25:13.72 ID:hv2zMcBs0
事務所には柚以外にもアイドルがたくさん所属している。ぽっと出の新人よりも信頼できそうな子を選ぶほうが無難なはずだ。
「プロデューサーサン。もしかしてアタシのことを推薦とかしてくれたの?」
「してないよ」
17: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:25:40.52 ID:hv2zMcBs0
「結構、周りの人って見てくれてるもんだよな。柚のすごいところを見つけてもらって俺も嬉しいんだ」
「んー」
「なんだよ。何か不満だったか?」
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