194: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/05/02(水) 19:25:38.48 ID:WBIQqYWr0
身体が嘘のように軽い。眩暈もすっかり収まった。
数日ぶりの外は暗く、冷え込んでいた。
家の周りを一周だけ走った後、共同井戸の水を汲み上げて飲んだ。
身体中の眠気が吹き飛んでいく。
勇者「腹減った。飯だ飯」
かまどに火をつける。
鍋が温まるまでの間、勇者は棚にあった丸いチーズを小刀で薄くスライスした。
鍋の準備が整ったところで、チーズを投入。
溶けるまで両手をこすりながら、辛抱強く待つ。
勇者「お、できたみたいだな」
ナンを溶かしたチーズに浸けて頬張る。
それだけなのだが、とても美味い。食べれば食べるほど、腹が減ってくる。
溶かしたてのチーズは熱いので、水で口の中を冷やしながら食べた。
勇者「よしッ」
朝早く出立した。花畑の丘を登り、屋敷の前に立つ。
悪趣味な純金の像は既に撤去されていた。屋敷全体を覆っていた金箔も剥がされてある。
良く言えば瀟洒、悪く言えば地味な外装だった。
魔女「3分遅刻。おはよう、寝坊助さん」
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