勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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118: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/02/07(水) 21:21:18.33 ID:8oje54qnO
便所掃除「やっぱ、圧が違ェな」

1200人の男達があげる雄叫びは、遠く離れた防塁の空気をも震えさせた。時に高く、時に低くうねるそれは、竜の咆哮を思わせる。

便所掃除「デケェ魔物が攻めてきているようなもんだ。気を抜くとマジで死ぬぞ」

この場に、指揮官として立っている。
たとえ仮だとしても、自分は600人の守兵の命を預かっている。
便所掃除は拳をかたく握りしめた。

徐々に、敵兵の姿がはっきりと見えてきた。
腰に差した肉切り包丁。背中に光る三本の短槍。羊の皮をなめした上着。そして、牛の角がついた鉄兜。

便所掃除「まだ射程外だ。耐えろ」

足音がさらに大きくなった。
敵部隊は密集隊形のまま突撃してくる。

便所掃除「耐えろ」

自分に言い聞かせるように、便所掃除は呟いた。敵部隊まで、もう十メートルもない。少し走れば届く距離だ。
ここで、便所掃除は腕を振った。
息を深く吸い、大声を張り上げる。

便所掃除「放て」

号令。無数の風切音。300本の矢が、テルメズ兵へ向かって雨のごとく降り注ぐ。
テルメズ兵は投槍に特化した歩兵だ。
矢を防ぐ盾など持っているはずがない。
次々と敵兵が血を流して倒れていく。

便所掃除「無駄撃ちはするな。矢の数にも限りがある。的確に、テルメズ兵の急所を射貫け」

矢の雨が通用するのは最初だけだ。
肝の据わったテルメズ兵は死体を盾に、防塁へ接近してくるだろう。梯子をかける者も出てくるかもしれない。

便所掃除「頼むぞ、テメェら……」

第一列に並ぶ貴族兵達は、すっかり腰を抜かしていた。


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