3: ◆km.GW4AuOk[sage saga]
2017/11/30(木) 23:18:44.65 ID:CEOpY5J8o
ぎいっと鳴る扉を慎重に開ける。
廊下を進んで奥の左側、談話スペース。居た。
やや癖のあるこげ茶の髪。
俯きながら片手でスマホをいじっていて、せっかく横顔も綺麗なのに、ふわふわの髪ですっかり覆い隠されてしまっている。
とはいえ、背筋が美しいのはさすが、レッスンの賜物でもあるだろうが、彼女自身の心掛けも良い。
スマホをいじってはいるが、それほど指が動いていないところからすると、おそらく次回のオーディションの資料を見ているのだろう。
ふむ。
あまり資料が必要な仕事ばかりというのも何だし、今度は雑誌の仕事も入れてみるか。
「志保」
「あ……お疲れさまです」
すいっとスマホをポケットに仕舞った。たった一つの仕草だけで、ずいぶんと成長を感じられるものだ。
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