バットマン「グランド……オーダー?」
1- 20
30: ◆GmHi5G5d.E[saga]
2017/11/24(金) 12:57:20.18 ID:a6BvGIkT0
 蹂躙、という言葉がある。

 黒いスーツで覆われた腹部に蹴りが入り、彼は転がって血を吐いた。痛みをこらえて起き上がる彼の目の前に、影は既に立っている。

 速い。バットマンは咄嗟に右拳に爆破ジェルをスプレーし、前方目掛けて拳を繰り出した。

「ノロイ」

 掌底と拳がかち合い、爆発。バットマンだけが吹き飛び、瓦礫に背中を打ち付けた。更に吐血。右腕の激痛をこらえ、彼は歯を食い縛って顔を上げ、前を見る。
 
 マシュが盾で必死に攻撃を防ぎつつ、二人のシャドウサーヴァントを相手に立ち回っている。それも長くは持たず、彼女は殴られて吹き飛んだ。

「マシュ」

 彼は震える手を伸ばした。燃える瓦礫の向こうに少女が突っ込み、破砕音と粉塵を散らして止まる。

 バットマンは唸りながら立ち上がり、影の前に立ちはだかった。

「……ムダナコト ヲ。ミスミス シヌ カ」
「……」

 彼は実際死ぬつもりだった。隠れる場所もない広所での戦闘、相手は数段格上だ。だが戦いをやめるつもりはない。

 世界を救うという目的のため……死ねばアルフレッドや両親と同じ場所へ行けるのではないかという、微かな希望のため。

「……ナラバ、シネ」

 振り上げられた黒い腕を見上げ、バットマンは不屈の防御姿勢を取った。だがその腕が振り下ろされる事は無かった。

「アンサズ!!」

 誰かが叫んだ。男の声だった。バットマンは咄嗟にそちらを見た。飛来する火の玉を。それはあやまたず、シャドウサーヴァントの頭部に直撃した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
937Res/559.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice