284: ◆GmHi5G5d.E[saga]
2017/11/30(木) 21:52:06.05 ID:sSo3P/wF0
「……」
「……」
「……彼女の、首を斬った時。僕は彼女の顔を見られなかった」
「……」
「僕は怖かった。自分が必死に、否定できない何かを否定しようとしている気持ちになっていた」
「……」
「……お前は、死が公平であるべきだと言ったな」
「……ああ、そうだ。死は公平に、裁きは公平に。俺達は皆、運の中でだけ平等だ」
「……僕は、運命があると思っていた。世界は運ではなく、もっと大きな流れの中にあるのだと。僕と彼女の世界は、そうあるべきだと思っていた。
だって、僕の……僕の、人生の一振りだったんだ。最高の一振りで、だから、僕は」
「……結局、俺達は損な役回りだったのさ。割り切れよ」
「……ひとつだけ、頼みがあるんだ」
「言ってみろ、聞いてやる」
「明日の決戦を、そのコインで占って欲しい」
「――あぁ、良いとも。俺も知りたいと思ってた。行くぞ……」キィン
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