バットマン「グランド……オーダー?」
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251: ◆GmHi5G5d.E[saga]
2017/11/28(火) 22:20:56.22 ID:FFuuv2m50

黒甲冑の騎士が降り立った。流麗な着地の後も数秒、彼はじっと動かなかった。

バットマンは警戒した。上空から舞い降りたワイバーン達が二人の間を荒れ狂う吹雪じみてよぎっても、二人は動かなかった。
 
 エリザベートと清姫は既に冷静さを取り戻し、街を守るための戦いを開始している。周囲では炎が舞い、エリザベートの槍が打ち振られ、清姫の扇子が踊る。

 だが、二人の騎士は動かなかった。兜のバイザーから漏れ出た赤い眼光と、マスクから覗く鋭い視線がかち合った。


 バットマンはバットラングを投擲した。だが空中で火花が散った。剣が振られ、弾かれたのだ。それを理解した時には、騎士は既に蝙蝠の眼前に居た。

「!!!」

 ブレーサーが掲げられ、振り下ろされた『それ』とぶつかり、火花を散らした。バットマンは力を受け流し、回転しながら拳を繰り出す。

 騎士は横に構えた『それ』で受けた……木の枝で。

(馬鹿な)

 折れない。頑丈すぎる木の枝に困惑したその一瞬の隙を突き、蹴りが叩き込まれた。

「ッ!?」

 石畳を破砕しながら転がって威力を流し、バットマンは高速思考する。真名。真名は何だ。あの能力は何だ。木の枝にすら圧倒的な強度を付与するあの能力は。

 それは伝説……何かの伝説に基づいた能力のハズだ。騎士の伝説……そう、例えば、拾った木の枝で、敵を打ち倒した伝説のような。

「Arrrrrrrthurrrrrrr!!」

 あの叫び。Arthur(アーサー)。アーサー王伝説に近く、拾った物で敵を打ち倒す……。

(フェロット。フェロットの策に嵌まり、丸腰で戦う事になってしまい……楡の枝で敵を倒した騎士)


 騎士が近付き、踏み込んだ突きを繰り出した。スピードがうねり、風となって周囲を走る。

 バットマンは素早く身体を起こし、膝立ち状態で木の枝を受け流していた。ブレーサーの表面で枝が滑り、火花を散らす。

(ランスロット。湖畔の騎士)

 眼光が輝いた。反撃のアッパーカットが繰り出された。




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