【ミリマス】紗代子「ワガママな私はアナタだけに」
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1: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:41:29.77 ID:8QMfH7fA0
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何気ない発見だったのだ、それは。
「紗代子が眼鏡を外してる……」
プロデューサーの意外そうな一言に、高山紗代子は思わず「えっ?」と驚きの声を上げたものだ。
正に"キョトン"とした顔である。彼女は手渡された熱々のたい焼きを包み紙から少々覗かせると。
「外しますよ、それは。だって曇っちゃうじゃないですか」
カリカリに焼かれた鯛の尻尾に齧りつく。
生地と餡から立ちのぼるかぐわしい湯気からレンズを守るため、
彼女の空いた手には愛用の眼鏡が握られていた。
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2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:43:02.72 ID:8QMfH7fA0
紗代子はその手をヒラヒラと軽く動かして、支払いを済ました男に言う。
「ラーメンとかと同じですよ」
3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:45:47.24 ID:8QMfH7fA0
そうして紗代子は微笑むと。
「それに、安い物でもないですし」
4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:46:56.84 ID:8QMfH7fA0
「プロデューサーは金銭管理がだらしない……と言うか、みんなにちょっと甘すぎます」
「甘すぎる? 俺が?」
5: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:47:50.25 ID:8QMfH7fA0
「……だから、こういう些細なご褒美でも労ってもらってるんだって……。大事にされてるんだなって、物凄く感謝してるんです」
すると男は困ったように頭を掻き、紗代子から少し身を離すと。
6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:49:15.33 ID:8QMfH7fA0
そうして紗代子は立ち上がると、眼鏡をかけ直し言ったのだ。
「逆もまた然り。日頃から感じてる感謝の気持ち、いい機会ですから形で返させてくれませんか?」
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