298: ◆Bc4KZX4MNU[saga]
2021/08/28(土) 23:56:30.44 ID:mauixQKk0
軽い駆け足で校門から出て、さらに少し
そんなところに立っている彼女は、やはり輝いて見えた
惚気と言われればそうだが、それでも自分の感性がおかしいとも思えない
「お待たせ、良子さん」
「ん、今来たところですよ。京太郎」
ニコリと、輝くような笑みを浮かべる
二人揃って、歩き出す
「今日はまたどうして?」
「もちろん……貴方と会うついでにワークを」
「そっちがついでなんだ」
「当然です」
笑みを浮かべる彼女の隣を歩く京太郎
この関係をどう表現しようか、恋人と言えばそうなのだけれどそれでは軽すぎる気もする
もっと重いナニカだ。でなければ説明がつかない
お互いの人生をゆだねて生きている。そんな関係
「良子さん」
「はい」
「俺が死んだらどうします?」
「……死んでも一緒です」
笑みを浮かべて手をつなぐ
本気だが、無邪気。歪んでいると言えばそうだが
京太郎も良子も、そもそもの出会いも別れも、歪んでいたのだ
だが至って健全、やはりそれ以上でも以下でもない
「だったらやっぱ……死んでも生きないだ」
笑う京太郎の隣で、良子もまた笑う
地に足をつけて歩き出す
同じ歩幅で、一歩一歩を踏み出す
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