八幡「想いで」
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16:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 21:09:11.99 ID:5fkFdj7q0

「えーっとな」

そして俺は語り始める。ここに来た一番の理由を。

「小学校ときの話なんだけどさ、俺、一度家出をしたことがあるんだ」

「家出?」

「そう、家出。家を出るって書いて家出な。学校から誰もいない家に帰ってきて、そしたらなんかもうどうしようもなくなって」

自分を受け入れない学校の奴らから。自分に関心を向けない両親から。俺は少しでも離れたかったのだろう。少しでも離れたくて、遠くに行きたくて、無我夢中で走って走って。それで――――――――――――

「で、気が付いたらここにいたんだよな」

「……随分と遠くまで来たのね」

「夢中だったし、やけを起こしてたからな。ここに着いた頃にはヘトヘトだったが」

「そうだったのね」

「そうだ。でもその時、ここには先客がいたんだ」

「誰かがここに既に来ていたという事かしら」

「そうだな。女の子が一人、今お前が座ってるブランコに座ってた」




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