28: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/11/16(木) 01:14:46.45 ID:4TBLGcT+0
○
あたしが我に返ったのは、ルームのドアが開く音でだった。
入ってきたのは、プロデューサーだった。
「あれ、どうしたの」
「あー、うん。ちょっとな」
目の前に転がる、あたしのダンスシューズを視線で示すと、プロデューサーは何も言わずにそれを手に取った。
「これ、昔使ってたとかじゃなく、新しく買ったやつだよね」
「ん? あー、そうだけど」
「努力の証だ」
「……そういう見方もある、か」
「落ち込んでるところ申し訳ないんだけど」
「んーん。大丈夫。何か用事か?」
「デビュー、決まったよ」
あたしの「ええっ!?」という声がルームに響いた。
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