31:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 19:01:00.52 ID:qT/AyJQb0
冬の足音がする。
季節が巡って、巡って、手を離す時、私はこの冷たい季節を乗り越えることができるだろうか。乗り越えたとして、春になって、雪とともに溶けてしまわないだろうか。
ガヴリール「風が冷たいな」
ヴィーネ「秋だからね」
ガヴリール「もう冬だ」
ヴィーネ「もう少しだけ、秋よ」
遠くに見える夕暮れが溶けきって、夜が訪れる。忘れ難い今日が暮れる。
ガヴリール「…ねぇ」
ヴィーネ「わ!何?ちょっ、ちょっと」
慌てふためく声を抑え込む。ほんの僅かにする、ほろ苦いキャラメルの味。
夜の闇が何者からも私たちを隠して、染まる頰も、重なる唇も、消してしまう。
そして私たちは今日の日の事など、忘れてしまう。
忘れてしまえ、と言うのだろう。
『It was a good day to forget』 完
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