22:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 17:22:06.11 ID:HxzSgDRio
「ごっ、ごめん。本当にごめん。嘘、さっきやってたのは冗談だから!」
私に向けられる彼の瞳は忙しなく右往左往している。
冗談だって、許されないことがある。
あなたは知らないだろう。
私がどれだけあなたに執着しているのか。
私はなにを犠牲にしても、それだけは手に入れてみせます。
だからこそ、私は諭す。
まるで、ドラマの中で見たように。
まるで、小説の一シーンのように。
私の中の足りないものとマイナス振り切ったものを補うように。
格好良く、気丈に、冷静に、女らしく。
デキる女性の仮面を被って、私はあなたの価値を諭すのだ。
――……出来るだけ好感度上がりそうな感じで!
◇
「う゛ぅ。んんっ!んんんっ!」
――無理でした。ダメです。
言葉は結局出なくて、私は情けなく目に涙を溜めて只々あなたの胸元を叩く。
女々しくてもダメダメでも下心前回でも私は頑張りますから……。
「ごめん。冗談でももうしないから……。許してほしい」
正面から背中に手を回されるように抱きしめられる。
……嗚呼。
あったかい。やさしい。…………しゅきぃ。
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