三船美優「純情な想いに酔わせていただけませんか……?」
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23: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/11/13(月) 18:25:19.05 ID:+NMp4x7MO



「あの……最近、とても寒くなってきましたね」

「ですねー、手袋とか着けてくれば良かったです」

 11月頭だと言うのに、もう真冬なんじゃないかと疑うくらい街は寒かった。

 隣に並んで歩いているのは三船さん。
 彼女の提案で、お昼は外で食べる事になっていた。
 ついでに、それまでとその後はデートをする事にも。
 眼鏡と帽子で変装はバッチリだが、三船さんも少し寒そうだ。

「私も手が冷えちゃって……あの、手袋の代わりになるか分かりませんが……」

「あ、カイロ一つだけありますよ。是非使って下さい」

「……ありがとうございます」

 三船さんは渡したカイロをそのまま鞄にしまった。
 いや使って下さいよ、なんて言える表情ではなかった。

「その……よければ、一緒に温めあいませんか?」

 そう言って、此方へ手を伸ばしてくる。
 なるほど、確かに文字通りその手があったか。

「……お嫌でしたか……?」

 そんな三船さんの表情が、堪らなく愛おしい。
 恥じらいながらも目だけは逸らさず、しっかりと俺に想いを伝えてくる。

「あー、こちらこそ」

 ぎゅっ、と。
 差し出された手を握る。
 指と指を絡ませ、ガッチリ離れないように。
 俺の手が冷た過ぎて申し訳ないが、直ぐにあったまるだろう。
 
「何処か行きたい場所はありますか?」

「貴方の行きたい場所でしたら、何処へでも……」

 それなら、と。

 俺は手を離さないように強く握りしめ、三船さんを自由に振り回す事にした。





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