志希「フレちゃんからレズビアンって告白された話」
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43:名無しNIPPER[sage]
2017/11/09(木) 19:50:31.00 ID:zVV9MWgMO
まぁどうのこうの言ってるが全ては終わってからだな
期待
44: ◆/lpmBFi8Qc[saga]
2017/11/09(木) 21:50:43.23 ID:GINAXdqU0
目的地が見えてきた。キサラギという名の中華料理店だ。すかさず前フリを入れる。
「むむ! このお店から事件の匂いが……」なんか少年漫画に出てくる名探偵みたいなキャラになっちゃってるけど。
「事件の匂いってどんな匂いー?」
「なんかこー……グリーン系の匂い?」
「わーお爽やか! 環境に優しそ〜!」
45:名無しNIPPER[sage]
2017/11/11(土) 01:18:52.68 ID:jkCS3SzLO
長すぎて草
46: ◆/lpmBFi8Qc[sage saga]
2017/11/17(金) 02:17:42.65 ID:B7IVr2Vq0
お久しぶりです。
現在、生活面で切羽詰まっておりまして、書く時間が取れないわけではないのですが、気力の方に問題が生じなかなか更新に至りません。
次の生存報告は本編の更新で、という形になるよう努めますが、次回更新の目途は控えめに「今月中には」とさせていただきます。
47:名無しNIPPER[sage]
2017/11/18(土) 02:34:31.80 ID:nthmJSj5O
待っとるよ
48: ◆/lpmBFi8Qc[saga]
2017/11/26(日) 18:17:19.14 ID:HdzKAwKn0
お昼の収録が終わってまた別のお仕事に出て事務所に寄ってプロデューサーに挨拶してフレちゃんと別れて帰宅した頃にはもう夜だった。靴下をてきとーに投げてはだしでぺたぺたぺた。雑然としたデスクにポリ袋と上着を放って白衣を着る。別に実験をするわけじゃないけど、白衣を着ると家に帰ってきた感じがするんだよねー。テレビを点けて、消して、椅子に座って、はっとして、忙しなくしながらほっぽったポリ袋を引き寄せて中身を漁る。それから、収録中に見たいつもと変わらないフレちゃんの笑顔とカメラに収まったあたしのいつも通りの笑顔を思い出しながら帰宅途中に買ったピザにタバスコをかけてぱくり。味がしない。もっとかける。ぱくり。かける……。……セクシュアル・マイノリティ、か。まあ割合を考えるならそろそろ知り合っても不思議じゃない確率だったのかな。いや、そんな風に考えるんならもっと出会っている方が自然なのか。ただ、これはほとんどの人間がそうであるように彼らが自分たちの性についてあけっぴろげじゃないから知らないだけで。サイレント・マイノリティ。フレちゃんは話してくれたから知っている。でもまさか、フレちゃんがそうだったなんて思いもしなかった。それじゃあフレちゃんはいままであたしのことをどんな風に見ていたんだろう。あたしはフレちゃんのことを親友と思って接していたし、いまだってそのつもりでいる。だけどもし、フレちゃんがあたしのことをそういう目で見ていたのだとしたら…………いや、やめよう。最低だ、あたし。それは自意識過剰というやつだ。誰だって好きな人を選ぶ権利がある。いくらフレちゃんの恋愛対象が女性だからといって、それは誰に対しても向けられるものではない。フレちゃんだって言っていたじゃないか。彼女はいると――。彼女。その言葉を思い出して胃が重くなる。当たり前だけれど、親友であるフレちゃんにもあたしの知らない一面がある。そして、今日まで知らなかっただけであたしと一緒にアイドルやって友達やってたその夜にも、あたし以外のあるいはあたし以上に親密なお相手とフレちゃんは一緒にいたのかもしれない。その想像にどうしてか胸が締め付けられるようになる。もやもやする。肺の中で火を焚いているように息苦しくなる。なんか、ヤだな。
49: ◆/lpmBFi8Qc[saga]
2017/12/13(水) 21:46:42.57 ID:chCVwYQH0
この息苦しさの理由はわからない。嫉妬……なのかもしれないけれど、別にフレちゃんは恋人じゃないし恋人にしたいとも思わないから、たぶん違うと思う。じゃあなんなのかと訊かれたところでやっぱりわからないとしか答えようがないケド。それともやっぱり嫉妬なのかなあ。あたしとフレちゃんは親友。嫉妬とは大抵、自分より上位の存在に対し向けるもの。あたしはあたしをフレちゃんのガールフレンドより劣っていると感じている? あたしは人を見下したりはしないけれどもだからって変に自分を卑下することもしないようにしている。だから嫉妬なんてなかなかしない。なのにあたしはいまフレちゃんとの関係を軸にしてフレちゃんの恋人に対し引け目を感じている。あたしとフレちゃんはあたしとフレちゃんでしかなく、フレちゃんとフレちゃんの恋人はフレちゃんとフレちゃんの恋人でしかないのに。つまり、あたしは恋人と親友なら恋人の方が勝っていると思っているのだ。たぶんだけど。恋人は親友の上位互換ではない。わかりきったことだ。あたしはどうしてそんな嫌な風にものごとを捉えようとしているんだ。あい・へいと・まいせるふ。あい・うぉんと・とぅ・ちぇんじ。っとと、自己嫌悪なんてだめだめのだめ。自己嫌悪を始めたって待っているのは自己嫌悪する自分を嫌悪する自分を嫌悪する……以下省略の無限ループだけだ。
そうだ、こんなこと考えたってしょうがないんだ。あたしは明日のことを考えないといけない。明日からのこと。フレちゃんとのアイドル活動。レイジー・レイジー。フレちゃんといると面白いことでいっぱいだ。退屈しない。そんな日々が、これからも続いていく。フレちゃんに恋人がいたところで、フレちゃんがあたしの前から消えるわけじゃない。
だけど、そんなのは希望的観測に過ぎなかった。あたしはこのとき明らかに『そのこと』から目を背けていた。アイドルとしては真っ先に思いつかなくてはいけないこと。なにが「アイドルの鑑だよね〜」だ。アイドルとしての自由を謳歌するための制限を忘れておいて。レズビアンという事実が大きかったから。相手が女の子という事実で目が眩んだから。言い訳だ。アイドルとして一番やってはいけないことの一つを、フレちゃんは犯していた。それは決して擁護できないことで。自由とは制限あってのもの。自由とは無法ではない。忘れていたわけではないけど、気が付けなかった。
転落は始まる。まずはこれから。
「――かっら〜! 水っ! 水ぅ!」
50:名無しNIPPER[sage]
2017/12/15(金) 02:48:32.74 ID:bGNTsUPrO
閲覧環境によっては横長にロングロングアゴーしちゃうな
スマホだとそんな困らんけどPCで見ると草生えた
51:名無しNIPPER
2019/03/18(月) 04:04:45.75 ID:pwbKgHYZo
まってるよ
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