66:名無しNIPPER[saga]
2017/11/10(金) 06:36:04.06 ID:uuR+QXp40
どうにか読解を終えて、軽くため息。なんか無駄に頭を使った気分だ。
ふと手元に握った封筒から何かの紙切れがヒラヒラと落ちていく。
そのまま自分の足元に着地したので拾い上げてみた。
ほぅ、なるほど。これは割と良い物かも知れない。
「ただいま」
「おかえりなさ……どうかされましたか?」
「……いや、なんでもないよ」
玄関から帰ってきた僕に向かって、サンディは心配の表情を見せてくる。
さっきの手紙を読んで変に疲れたのが表に出てしまったか。反省せねば。
まぁ近いうちに金銭面の心配が少しは和らぐのも分かったことだし、物事が前進したと捉えておこう。
手紙にはもう一つ。チケットが同封されていた。
これは郊外の動物園の入園チケットだ。割引券ではなくタダ券というのが太っ腹。
ただ、期限が今日だという点で見事に太っ腹な部分が帳消しになっている。
「サンディ、動物って好き?」
「はい、好きです。好きですが……何かあったのですか?」
「いや、ちょっと予定を追加しようと思って。買い出しがてら、動物園に行かないか?」
「……!?」
彼女の目がシイタケみたいに一瞬キラっとしたのを見逃さなかった。思った以上の好感触じゃないか。
グッジョブ依頼人、全力のサンクスを貴方に。
まずは動物園に足を向けて、その後にでも服と食料品を買うとするか。
あと三日は生き延びれるくらいは預金もある。
今日は可愛いものや楽しいものをサンディに見せてあげることが出来るよう、財布の中身を仮初めの潤沢にしておかねば。
現在時刻は七時五十分。
銀行が開く時間までは、とりあえず家で待機かな……。
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