31:名無しNIPPER[saga]
2017/11/07(火) 09:50:17.57 ID:lfj9bXFJ0
「少し横になっても良いですか?」
それを承諾すると、お腹いっぱいになったらしい彼女は充足したようにソファに横たわった。
どうやら食べ過ぎたらしい。
もともと線の細い少女だと思っていたから、これからどんどん食べてほしいものだ。
「こんなに美味しいものを食べたのは、とっても、久しぶりです……」
くりくりの大きい瞳を目蓋が覆い隠そうとしている。
どうやら眠気が襲ってきたようだ。まるで子どものようだと思いつつ、そういえば子どもだったなと再確認する。
食後のお茶でも準備するために席を立ち、再び戻ってきた頃には対面の少女は穏やかな寝息を立てていた。
就寝用のベッドは一つしかないから、彼女にはそれを利用してもらい、自分は事務所のソファで寝ることにしよう。
寝室には後から運ぼうと決め、まずは一服しようと自分が淹れた玄米茶を軽く啜る。
気持ちよさそうに眠っているサンディを見ると、心が温かくなる。ふっと自分の口元がたわんでしまう。
これは傍から見たら事案になるのか。などと変な事を考える前に、窓際にかけてあるカレンダーに視線を移した。
今日の日付は、十一月十一日。語呂も良くて覚えやすく良い日だ。
同居人というか居候が突然増えた日。
おおよそ一年という期間が長いのか短いのは今は分からないが、とかく、大切に過ごそうと思った。
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