255:名無しNIPPER[saga]
2017/12/12(火) 04:29:11.03 ID:sLz/PBVL0
涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになってしまった。
お兄さんはティッシュの箱を持ってきてくれたが、それを使い切りそうな勢いだ。
泣きすぎて息ができないから、おぅ、おぅ、とオットセイみたいな声が出る。
もはや恥も外聞もなく、私は枯れ果てるまで涙を流そうと決めた。
それからしばらくの間ののち、ようやく少し落ち着いた私に向けて
お兄さんはホットミルクを差し出した。
「いやぁ、そこまで感激してくれるとサンタ冥利につきるね」
「いづ、グスッ……、ずみ゛まぜん、いつ、の間に……、準備したんですか?」
「きみが願い事を投函した翌日から準備を進めてたよ。
組織の連絡先を調べていたら、色々と時間かかっちゃってさ」
「ありがとう……、ありがとう、ございます……。叶うなんて、思ってませんでした……」
未だ涙が少し溢れる私をお兄さんは優しく抱きしめてくれる。
温かい。ぬくぬくだ。
お兄さんは、私を腕の中に収めながら告げてくる。
「実はね、この映像をくれる代わりに一つだけ取引があったんだ」
「とり、ひき……?」
「それを聞いてくれるかい?」
「何でもいいです。私で出来ることは、何でも受け入れます……」
「“あの二人にサンディの現状を伝えてほしい”ってさ。
今日撮った写真、送っていい?」
「恥ずかしいからダメです」
「手の平大回転!? なんでもって言ったじゃんサンディ!」
「それはそれ、これはこれ、です」
「便利な日本語を知ってるね……!」
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