15:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 22:47:57.10 ID:1bqYoAB70
>>14
「私の名前は……サンディ、です……」
少女は俯いたまま、ぼそりと呟く。
可愛い名前だね。
そう率直な感想を告げると、さらに身を縮こまらせて耳を真っ赤にしていた。
「仲睦まじいようで何よりです。では、私はこの辺りで失礼させてもらいますね」
ああ、そうだ。報酬は忘れないでくださいよ。
そう釘を打つと、彼は微笑みを返してくる。
謎の不安が胸をよぎるが、まぁここは信用しておこう。
そして依頼人は去り、中に残されたのは自分と、少女……サンディの二人。
これから一年間の同居人に向かって、とりあえずは声をかけてみよう
「ずっと入口に立ってると寒いでしょ? 汚い事務所だけれど、まぁお入りなさい」
「お、お邪魔します……」
「これから宜しくお願いするよ、サンディ」
「は、はい、ご主人様……」
変な言葉が聞こえてきたのは気のせいだと願いたい。
前途多難になりそうだが、まぁ楽しくやっていきたいところだ。
彼女がほんの少しでも幸せで在るよう、祈りを続ける日々がこうして幕を開けた。
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