【ミリマス】桃子「だって、今日からお兄ちゃんは」
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 00:00:21.06 ID:IoDT3yM60
車に乗り込んですぐに異変に気づいた。
劇場の喫煙室前でよく嗅ぐ匂い。その微かな残りが私こと、周防桃子の鼻を確かに刺激した。
「……お兄ちゃん。またこの車で煙草吸ってない? 桃子、やめてって言わなかったっけ?」
「え? なにが?」
いかにも「私は何も聞いてませんよ」という風な態度を装いながらエンジンをかけるお兄ちゃん。
この人。私のプロデューサーっていう自覚はあるんだろうか。私がその程度の演技を見抜けないとでも思っているのだろうか。
……もう。仕方ないなあ。
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 00:01:32.96 ID:IoDT3yM60
「……あのねお兄ちゃん。お兄ちゃん、何年桃子のプロデューサーやってるの? ……もう一回聞くよ? 今度は正直に言ってね? 車で煙草吸ったでしょ」
「……すまん」
「いいよ。許してあげる」
しょんぼりとうなだれるお兄ちゃんを見て笑みがこぼれそうになるのをなんとか我慢する。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 00:02:20.57 ID:IoDT3yM60
「お? 恵美だ。あっはは。さすがだなー」
なんとはなしにつけたラジオから、恵美さんの声が聞こえてきた。
今では彼女はその癖になる声と緩急のついた語り口、端々から見え隠れする細かい気配りから今ではトップクラスの人気を誇るラジオパーソナリティだ。
桃子もだいぶ前にコツを聞いたことがあるけどなんかバーンとかドーンとか言ってて全然理解できなかったな……。
4:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 00:03:19.62 ID:IoDT3yM60
「……恵美さん。言ってたよ。深夜ばっかりだから肌に悪いーって」
「あー……ちょうどいいや。志保がな。今やってる昼帯のラジオの時間がずれるから移動した後の枠を恵美に頼もうと思ってたんだよ」
「へー……いいんじゃない? 恵美さんと志保さんじゃ芸風? っていうかスタイルが違うから、志保さんの頃のリスナーさんが恵美さんの番組についていってくれるかはわからないけど。まああの2人同期でファンもかぶってるし、大丈夫かな?」
そう、私が思ったとおりのことを口にすると。
5:名無しNIPPER[saga]
2017/11/06(月) 00:03:47.75 ID:IoDT3yM60
「そう? ……誰かさんと一緒にいる時間が長かったから、かな?」
「……そっか。まあ、そうだよな」
今の私は半分くらいマネージャーみたいなものだ。一応アイドルなんだけどな。最近は舞台とかでばっかり仕事してるけど。
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