102: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/12/05(火) 17:06:01.24 ID:Pdh78Mjj0
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「私の一族は、王国内でも最たる歴史をもつ名家の一つですの」
「当然、私は幼いころより貴族としての教育を受けてきました」
「今でこそ、遊び人と呼ばれますが」
「当時は、神童と称されるほどでしたのよ」
「本当ですよ?」
「私は、長い年月を自身の研鑽に費やしました」
「そして、数多の家庭教師からお墨付きをもらうどころか」
「彼らを遥かに上回る知識と礼節を身に着けるに至りましたの」
「自他共に一人前と認められてからは、当主である父の手伝いを任されました」
「非常にやりがいがある仕事でしたわ」
「父のスケジュール管理から、社交界への参加、対外折衝と」
「私が、身に着けた全てを十全に活用いたしました」
「そして、20年ほど前に父が亡くなりましたの」
「新しい当主には、年の離れた私の弟が就くことになりました」
「弟は、昔はお姉ちゃん子だったのですが当主となってからは男振りを上げまして」
「私が仕事を手伝おうとすると、嫌がるようになりました」
「弟曰く『姉さんは、これまで十分すぎるほど働いたんだ。困ったときは相談するから、しばらく遊んでいると良いよ』ですの」
「生まれてこのかた、学問と仕事に囲まれてきた私にとって」
「初めて与えられた余暇でした」
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