3:名無しNIPPER[saga]
2017/11/04(土) 02:25:37.26 ID:w8FvIxooO
曜「だからさ! 今の時代、旅館を継ぐにしたって大卒の方が潰しが効くんだから、千歌ちゃんみたいな普通の人は――あっ……」
千歌「普通の……人?」
曜「ごめん……私、そういうつもりで言ったんじゃ……」
千歌「曜ちゃんは……私のこと、そういうふうに思ってたんだね」
曜「ちっ……ちがっ……」
千歌「何が違うの? 分かってるよ……チカだって、ずっと自分のこと普通だって思ってた……だから、いつか何かを変えたいって」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「でも無理なものは無理なんだよ。普通の人は、どうやったって普通にしかなれない……曜ちゃんはいいよね。生まれつき才能があって、誰の力を借りなくたって、どこまでも行けるんだからさ」
曜「……才能? 誰の力も……借りない?」
千歌「だってそうじゃん! 曜ちゃんはいつも――」
パシンッ
千歌「――っ!」
曜「ハァッ……ハァッ……」
千歌「いった……なにすんの……」ジンジン
曜「――千歌ちゃんのバカッッッ!!」パタパタ
千歌「曜……ちゃん……」
千歌「人の話……最後まで聞いてよ……」
千歌(曜ちゃんはいつも、一人でなんでもこなしちゃう)
千歌(それなのに、私はなんにもできなくて……曜ちゃんの背中ばかり見て、曜ちゃんの応援することしかできなかった)
千歌(だからきっと……曜ちゃんには、私なんて必要ない。私がいれば、曜ちゃんの足手まといにしかならない)
千歌(だから……これでいいんだ)
千歌(でも……でもさ)
千歌(どうせなら……笑って送り出してあげたかったなあ)
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