【安価】桃太郎がわらしべりながら鬼退治を目指す
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201: ◆5Xp2MHTzaI[saga]
2017/12/19(火) 00:05:08.46 ID:o/kquj3o0
裁判で勝っても鬼の耳に念仏でありまして……
お次はポチ後日談。
・おまけ3 ポチと再会
それは桃太郎たちが野良仕事をしていた昼下がりのことだった。
ポチ「桃太郎さーん」
桃太郎「ポチ!うわあ久しぶりだなあ」
ポチ「急に桃太郎さんに会いたくなって来ちゃいました」
千代女「あらいらっしゃい、ポチ」
桃太郎「ちょうどいい。そろそろお茶にしようと思っていたんだ」
ポチ「ごちそうになっていいんですか」
桃太郎「ははは、犬が遠慮するなよ」
ポチ「わあきびだんご!懐かしい味だあ」
桃太郎「……?」
千代女「桃太郎様……」ヒソヒソ
桃太郎「わかった。ここは任せてくれないか」
爺「桃太郎や、今日は畑のほうはいいから散歩でも行ってきなさい」
桃太郎「お爺さん、ありがとうございます。そうだポチ、このへんの眺めのいい場所に行こう。いろいろ話したいこともあるし」
ポチ「えっ……」
……
住職「おや桃太郎。この犬は……?」
桃太郎「……お願いします」
住職「あいわかった」
ポチ「えっどういうこと……」
桃太郎「ポチ、お前はもう死んでいる」
千代女「さっききびだんごを食べているふりをしながらポチ自身が『食べているふり』に気づいていない様子でした。まるで死んでいることに気づいていないように」
ポチ「そんな!?」
桃太郎「どうか安らかに眠ってくれ」
千代女「それがポチのためでもあるのです」
ポチ「いやだ、桃太郎さんや千代女さん達と二度と会えなくなるなんて」
住職「こんな往生際の悪い犬ははじめて見ますなあ」
千代女「貴方、桃太郎に会えたら成仏するつもりだったのでしょう?」
ポチ「……お見通しでしたか。ええ、薄々は気づいていたんです。もしかしてもう死んでいるんじゃないかって。だからせめて桃太郎さんにお別れを言いたくて……」
千代女「一度会うと名残惜しくなって」
住職「だがこのままでは悪霊となって皆に迷惑をかける犬になってしまうぞ」
ポチ「わかりました……」
ポチは成仏した。
桃太郎「ありがとう、ポチ。お前のことは忘れないよ」
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