ありす「合同ライブ、ですか?」 杏「うへぇ……」
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52: ◆fuWkWfr/Bc[sage]
2017/10/31(火) 22:12:31.66 ID:vBR8DJ32o

ありす(私たちはどちらからともなく、お互いの手を繋ぎました)

ありす(一度だけギュッと握りしめると、それぞれの待機場所へ向かいます)

ありす(ポップアップ装置の上に乗ると、スタッフさんがカウントを始めました。それに合わせてイントロが流れます)

ありす(ごと、と台が揺れ、ゆっくりとせり上がる。顔がステージ上に出たとき、目に飛び込んできた光景に息をのみました)

ありす(ピンクとブルーの二色でできた光の海)

ありす(それは私と杏さんの色。“ストロベリィ・キャンディ”の色でした)

ありす「――ッ!」

ありす(反射的に杏さんへ視線を向ける。そうすると、目が合いました)

杏「……」ニヤッ

ありす(杏さんはにやりと笑って、歌い始めました)

ありす(私は胸に言いようのない昂揚感が湧き上がってくるのを感じ、まるで競うように後に続きます)

ありす(無我夢中。でも、それはあの初ステージのときとはいささか違いました)

ありす(杏さんの様子、それに、観客の方たちの表情やコール、曲に合わせて揺れ動くペンライトの波)

ありす(そういったものまで意識することができています)

ありす(自らの成長を意識しつつ、それでいて改めて杏さんの大きさのようなものを感じ取りました)

ありす(なぜなら杏さんは会場の盛り上がり方と私の調子を窺って、それに合わせてパフォーマンスを少しずつ変えていたのです)

ありす(流石だな、と思うのと同時に、これはチャンスだとも感じました)

ありす(ほんの少しのいたずら心とでもいえばいいのでしょうか。気分が高翌揚していたがゆえの行動だったのだとも思います)

ありす(私は――杏さんに身を任せることにしました)



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