286: ◆nySMeRqtqc[saga]
2018/03/27(火) 00:16:59.85 ID:hLNSdLWv0
いくつか死体を増やして、今日のノルマは……終わりましたね。
あとは……遠くから送られてきた商品を出荷できる状態にまで整えるだけ。
これで、終わり。今日は、終わり。
誰にも見つからないように、こっそりと建物を出る。
そして、私が私にかけた暗示も、とけ、て……
違う、違う、違う!
あんなこと、したくなんてなかった!肉のつぶれる音も、ぎりぎりと張りつめたあの空気も、生ぬるい血も感覚も!何もかも私にこびりついて離れない!
私は、私は、こんなことのためにお母さまやお父様に武道を習ったわけじゃない!
私が今まで殺した生き物が、私を恨めしそうな目で見ている気がする。
私が今まで殺した生物が、私に呪詛を吐き続けているような錯覚すら覚える。
私は、私は、私は……!
……。取り乱して、しまいました。
そんなこと、気にしていては、妹に心配をかけてしまいます。
私は、いつも通りにしないと。気丈で、したたかで。強い、そんな人物を、演じなければ……。
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