19: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2017/10/29(日) 23:26:12.04 ID:s1IKgLXf0
公演開始のブザーが鳴り、歓声が響く。
どんなステージでも変わらない光景。それなのに、何度だってドキドキしてしまう。
でも、今日のありさはステージに立つアイドルちゃんだ。
期待する気持ちを誰より知っているから、それに応えたいって思う。そういう気持ちを大事にしたいアイドルちゃんなのだ。
ステージにも、観客席にもいるありさだから、二つの場所を強く強く繋ぎたい。
最初の挨拶は、もう決まっていた。
「みなさーん、ご来場いただきありがとうございますぅ! コールの準備はできてますかー!? 覚えてなくても大丈夫、ありさをマネして、みんなに合わせればOKです! じゃあじゃあ、さっそくやっちゃいましょう!」
「A・R・I・S・A!!」
――A・R・I・S・A!!
びく、っと身体が跳ねてしまった。こんなに大きなコールをこの身に受けたのは初めてだ。
やばい、嬉しい。これだけ沢山の人がありさの名前を呼んでくれてるなんて、そんなの、調子に乗ってしまっても仕方がないだろう。
「ふおぉ……! いいです、いいですよ! 初めましての方もわかりましたか? それじゃあもう一回、A! R! I・S・A!!」
――A! R! I・S・A!!!
「くぅ〜! 今回の公演、ずーっとそのパワーでお願いしますねっ! ありさも、一秒だってタイクツさせないステージを約束します! 一曲目、いきますよー!」
開幕MC、もうちょっと時間取ってなかったっけ。
舞い上がって予定が若干トんじゃってるけど、きっと大丈夫。舞台裏からストップがかからない限りはある程度好きにやっていい、はず。
だって、プロデューサーさんやスタッフさんがありさのステージを支えてくれているのだから。
大きく息を吸って、曲名を高らかに叫ぶ。
「チョー↑元気Show☆アイドルch@ng!」
返ってきた歓声に応えるべく、ありさは大きく跳ね、歌い始めた。
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