9:名無しNIPPER[saga]
2017/10/28(土) 01:39:47.66 ID:zJC5eQxq0
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「プロデューサー!アタシやっぱりダメかも!ヒント!ヒントを!」
事務所の扉を開けるなりPCに向かうその人に、アタシを悩ませる犯人に、声をかける。
「曲変えてくれ、とは言わないんだな。よかった」
ヒントどころかまた難問が飛んできた。
確かに、曲を変えてほしいわけじゃない。
この曲を、春香や伊織が、シアターの仲間も、765プロが歌ってきたこの曲…だから?
「まぁいいや、ちょうどいい。次の公演のポスター案出来上がったんだけど、ほれ、どうだ」
ポスターは公演毎にデザインが変わる。
セットリストのなかでメインに組まれる子、オリジナルのソロ曲やユニット曲のセンターを務める子を中心に、その公演出演メンバーが全員登場する。
今回は…
「あんまりいい表情してたからさ、プロデューサー権限ってやつだ」
中心にはいっぱいに引き伸ばされた…アタシ?の笑顔。こんな写真…。
「前回のやつだよ。バックで踊ってた曲だけど、うん、楽しそうで、カメラマンも最高の一枚ができましたって」
「ヒントだっけ?そうだな、"基本的には一本気だけど 時と場合で移り気なの"って見方によっちゃのり子っぽいって思わないか?」
???
「いつでも全力投球!かっこいい仕事もかわいい仕事も、バラエティもドキュメントも。移り気ってあんまりいい印象の言葉じゃないけど、ほら所詮言葉だ」
「歌詞のとおり、楽譜通り歌うのも大事だけど、だろ?」
!………。
「ヒントは以上、早く帰って休みなさい。あ、そうだ。前にも言ったけど、のり子の"私はアイドル"を聞くの、楽しみにしてるんだ。だから、な」
「うん、ありがとう。アタシ…ううん、楽しみにしててね!」
「おぅ」
「じゃ、また明日!プロデューサーも、早く帰んないとダメだよー」
バタン
先ほど勢いよく開けたばかりの戸を閉めて、次の公演に向け、きらめく星空を見上げながら、1人自宅へと帰路につく。
どんな楽しいことが待ってるかな。えへへ。
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