1: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:45:25.43 ID:D4kYRHiu0
・「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二次創作です。
・すごく短い。
・白菊ほたるは出てこないけどほたる物です。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:45:48.56 ID:D4kYRHiu0
一人のアイドルが居る。
決して不人気ではないが近年はいまひとつ伸び悩み、活動に限界を感じている。
ルーチンワークと化した毎日。
3: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:46:19.75 ID:D4kYRHiu0
そのアイドルのもとに、一通の手紙が届く。
差出人は自分のファン層からは外れた壮年の女性だった。
いぶかしみつつも目を通すと、そこには繊細な文字で、一面に感謝の言葉が綴られていた。
あなたのおかげで、私の娘が救われたのだ、と。
4: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:46:51.31 ID:D4kYRHiu0
不幸な娘が居た。
自分だけでなく、人を不幸にしてしまう娘。
優しい娘だった。
人を傷つけることを恐れて人から距離を取り、自分を責め、目立たぬように息を潜めているような娘だった。
5: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:47:50.75 ID:D4kYRHiu0
貴女の歌で、幸せになれたのだと。
自分も、人を幸せに出来る存在になりたい。
アイドルになりたい、と言ったのだという。
勿論、道は平坦ではなかった。
6: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:48:43.33 ID:D4kYRHiu0
正直、娘がアイドルを目指す切欠を作ったことを恨みもした。
だが、その娘は苦労の果てに良い事務所にめぐり合い、アイドルへの道を掴むことができた。
電話の向こうの声が明るくなった。
友達が出来たのだと、報告してくれた。
7: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:49:19.89 ID:D4kYRHiu0
あのとき、貴女が出た番組を見たのは、ただの偶然だったに違いない。
だけど、あのとき貴女を見ていなかったら、娘はいま、どうしていただろう。
娘は今のように明るく笑っていただろうか。
突然こんな手紙を贈られても、貴女は戸惑うだろう。
8: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:49:54.23 ID:D4kYRHiu0
自分のおかげじゃない、とアイドルは思う。
それはきっと自分でなくても良かったことなのだ。
憧れだけでやっていける世界ではない。
その子が夢を掴んだのはその子の中に確かな強さがあったからで。
9: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:50:26.62 ID:D4kYRHiu0
―――だが、その娘はアイドルになったのだという。
手紙を見ると、その子の苗字は白菊と言うらしい。
その白菊某がもう一度自分を見たとき、自分が落ち目になっていたら、どう思うだろうか。
多分がっかりするだろう。
10: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/10/21(土) 23:50:59.67 ID:D4kYRHiu0
おしまい。
短いですが、読んでくださってありがとうございます。
11:名無しNIPPER[sage]
2017/10/22(日) 06:41:14.04 ID:xZXf2QqRo
おつ
11Res/3.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20