サイタマ「俺より強い奴に会いに行く」
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50: ◆h8EFfUmKWs[saga]
2017/10/23(月) 15:01:28.10 ID:xaj+H4+SO
【モノローグ】

ヒーロー協会が設立された当初、C級、B級、A級の三段階であった。

協会が各ヒーローをランク付けする際は
・怪人討伐の実績
・戦闘能力
・人助けなどの社会的貢献度
・大衆人気
などを主な基準としている。

単に強ければA級になれるわけではなく、日常の素行や成果を加味した査定を協会が取り決めることで、身体能力が低くても上位に食い込めるようになっている。

――草分けの時代。
設立後、半年間は毎週のようにランキングが塗り変り、『正義』の大義名分の下、熾烈なランキング争いが行われていた。


しかし、ある時、協会は気がつく。
A級ランキング上位が束になっても敵わない災害レベル鬼以上の怪人達。

「それらを単独で倒せる者が紛れこんでいる……」

彼らは不思議なことにランキングに固執することをしていなかった。
名声、栄誉、富。
欲に目が眩み、一足先に手柄を立てようと現場に駆けつけたヒーロー達。
有象無象のヒーローが全滅した後に現れては――。

“戦い、そして、勝利する”

彼らは欲ではない、自身の為に動いていた。
総合実績では、道徳活動を積極的に行いランキング上位にいる者たちの陰に隠れていたため、埋もれていたのだ。

「餌で釣れないとすれば、どうすべきか」

このままでは稀有な才能の確保に難しいと判断した協会幹部は、彼らをの並外れた戦闘能力にだけ着目し、特別枠を設けた。

これが、S級ヒーロー誕生の経緯である。

成り上がりたいと求める者。
それら野心を目的として門出を叩く行為を責めることはできない。むしろ、才能を発掘するという意義を考えれば母数は多いに越したことはないから、歓迎すべきである。

だが、S級という人種は強さが、選別やふるいにかけるという意味は無いのではないかと思うほどに、狂っていた。

いつしか、S級ヒーロー達は、一度は『最強』を目指した者たちに、尊敬と畏怖を集めていた。


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