サイタマ「俺より強い奴に会いに行く」
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38: ◆h8EFfUmKWs[saga]
2017/10/18(水) 17:07:11.58 ID:wJAX+0uIO
【ヒーロー本部 幹部会議室】

幹部A「S級ヒーロー17位ジェノス。ステップアップの速度だけを見れば破格にも思える」

幹部B「先の件の働きを省みるに充分でしょう。……しかし、マグレという見方もできますからな。しばらくはS級の末席に据えるのが妥当かと」

幹部C「彼のヒーローネームに意義のある者は?」

幹部一同「意義はなし」

幹部D「では、これで決まりだな」

幹部B「数々の凶悪な怪人に怯むことを知らず、果敢にアグレッシブに攻めていく姿はさながら……鬼神」

幹部C「左様。ふさわしいヒーローネームは“鬼サイボーグ”」

幹部A「ビジュアルも良い。愛想がないのがたまに傷だが、女性にとってはそこがまた琴線に触れるやもしれん」

幹部D「ブロマイドの売り上げに貢献してくれそうですな。まだまだ伸びるでしょう」

幹部A「本年度の収益を黒字に転換する為にも、彼の働きに期待しよう」

シッチ「(くそっ! 主題である対策会議は15分で終わらせたくせに……! こんなどうでもいい命名に2時間も割きおって! 無能な楽観主義者どもめ!)」

幹部A「ところでシッチ君」

シッチ「あ、は、はい? なんでしょう?」

幹部A「先ほど報告にあった頭のおかしいハゲについての調べは済んでいるのかね?」

シッチ「……はい。どうやら、協会に属するヒーローのようです。データベースに記載がありました」

幹部C「なに? ヒーローネームは?」

シッチ「たしか、ハゲマントでした」

幹部一同「……」ドヨドヨ

幹部A「聞き違いかな? なんといった?」

シッチ「ですから、ハゲマントです」

幹部D「なんとも滑稽なヒーローネームだ。事務員がつけたのか」

幹部C「まぁ、問題ないでしょう。一風変わったネームが多いヒーロー界隈ですから」

幹部D「戦慄のタツマキとどこかに飛び去ったと聞き及んでいるが?」

シッチ「報告に間違いはございません。いまごろ、病院送りになっているでしょう」

幹部C「有象無象(うぞうむぞう)のヒーローなんぞに期待はしておらん」

幹部A「その通り。……しかし、母数が大きければ大きいほど突出した才能を持つものが出現する可能性は高くなる」

幹部D「そのハゲマントとやらは“その他のヒーロー”に他ならない」

幹部B「スポーツ競技と同じ原理だ。“人気”は維持してこそ、子供達が成長した際に次へのバトンとなる」

シッチ「(経営的な判断として間違っていない。市民達のヒーローに対する印象は怪人が現れるほどうなぎ登りで良くなっている。なぜならば、活躍するから)」

幹部A「そろそろ、今日の会議はお開きとするか」

シッチ「(だが……! だが! この言いようのない不安はなんだ? 頼む……! 俺の杞憂であってくれ……!)」


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