誹謗中傷禁止だにょ! 作者が活躍する学園モノ冒険譚です ハーレム 異世界 い能力
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22:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 02:20:52.91 ID:02AXfqHz0
塵で煙った,灰色の空が俺を迎えた.

ここが雨の日が多い地域だとはいえ,運がないと苦々しく思った.

透明化は,自分に付着した雨粒にさえ,作用する.もし,雨が降ってもなお,路上を歩こうものなら,俺のいる空間だけ不気味な空白が生まれるだろう.

俺は人通りを避けつつ,急ぎ足で駅へ向かった.

ここには,もう,二度と戻るまい.

この陰気な町に対する,愛情は欠片もなかった.

せいぜいこれから住む町は,雨が降らない地域にしようと,遠足気分でさえある.

自分でも驚くのだが,今の俺は楽しくてしかたがなかった.

そんな調子で裏路地から,駅に出ようとすると,後ろから声が聞こえた.

「そこのナメクジ男,どこへ行くつもり?そっちは家と反対方向よ」

高圧的な口調に,思わず振り返ると,見知らぬ制服姿の女生徒がいた.

肩までかかった髪は茶色に染められていて,いかにも不良といった様子.

そして白磁色の瞳はめらめらと怒りに燃えていて,目線だけで殺せるなら殺したいという気迫が伝わってくる.

「起源を制御できないくせに,人混みに向かっていくなんて信じられないわ!

アンタのは内変型がベースだけど,外にも影響が出始めてる.さっさと家に戻りなさい」

彼女はそこでようやく俺から視線を切り,俯いた.

そこで気づいた.人の足跡が,俺から伸びていることに.

とてつもない重量の人間が歩んだように,足跡が凹んで見える.それが今まで通ってきた道路にずっとつづいていた.



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