230:名無しNIPPER[saga]
2017/11/19(日) 06:14:01.34 ID:VhB1aNzu0
「神殿」から降りた私は、周囲を見渡す。
ヒカリゴケに照らされた、膨大な空間。
そこには深い森が広がっていた。
兎や、鳥たちの姿も見える。
地上への道を塞ぐ前に集ておいた植物や動物。
それに私達の因子を埋め込んだのだ。
お陰で、太陽の光が無いこの空間でも根付いてくれている。
成長も早い。
「……クロ、聞いて、またアオが我儘言ってる」
「我儘はアカの方だろ、ボクはただもう少し動物を増やしたいって言ってるだけで」
「……増やし過ぎたら、植物が減ると、アカは思う」
「大丈夫、増やした分、ボクの眷族がちゃんと狩るからさ」
「……狩るなら別に増やさなくていい」
何時ものように、騒がしい日々。
高台の上からは、ミドリ達が演奏する曲が流れている。
そう、ここは。
数千匹にまで増えた、スライム達の巣。
私達の、理想郷なのだ。
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