158:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 14:59:39.05 ID:io/ozYfw0
山を降りて、森に足を踏み入れる。
深い木々の匂い。
動物や虫の匂い。
湿度を孕んだ土の匂い。
緑色。
土色。
水色。
草の音。
川の音。
虫の声。
それらが、私の五感に染み渡ってくる。
ああ、帰ってきたんだ。
私は、ここに、故郷に。
心が躍る。
気持ちが高ぶる。
走り出したくなる。
そう、そうだ、ここは私の住処なのだ。
ずっと、そうだったのだ。
私は、ここで生まれて。
ここで、暮らして。
ここで……。
……。
……。
……いや、落ち着こう。
まずは、村に行かないと。
幼馴染が、待っているのだから。
私は、村へ向かう最短経路を走り始めた。
天候は晴れ。
昼頃には到着できるだろう。
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