13:名無しNIPPER[saga]
2017/10/12(木) 00:26:44.97 ID:goNpldYG0
動物や魔物が人を襲うのには、大体3つの理由がある。
お腹が空いている場合。
自分のテリトリーや同族を守る場合。
手負いの場合。
生まれたばかりのスライム達は、恐らくテリトリーを守るという概念が薄いだろう。
同じ理由で、手負いで凶暴になっている可能性も無いと判断できる。
という事は、お腹さえ満たしてあげれば、私が襲われる可能性はある程度減らす事が出来る……はず。
多分。
「……まあ、たったあれだけの肉で満足するかは微妙だけど」
「もし駄目だったら……戦うしかないかなあ」
手元にある武器は、解体用のナイフだけ。
木の枝は既に燃え尽きて、革袋に残った油も、それほど多くはない。
もし戦闘になれば、恐らく負けるだろう。
ちゃんと死ねればいいが、もしかしたら生きたまま捕食される事になるかもしれない。
「……誕生日までに村に戻らないと、幼馴染は怒るかなあ」
「怒るだろうなあ……」
洞窟の天井を見上げる。
落盤で開いた穴から見える外の様子は、薄暗い。
多分、日が暮れてきたのだろう。
外に逃げ出す為の方法は、今の所無い。
無いのだ。
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