W号戦車「ドゥルルルルルルン……!?」 エリカ「貴女の名は」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/11(土) 05:22:54.58 ID:T3mqf/Oho
「何だ、なんて言い方をされては、さすがの私も少々傷ついてしまいます」
そう言うニルギリの表情は、どこか楽しげに見える。
それでも、遠巻きにきゃあきゃあと騒ぐファンの少女達とは違い、どこか凛とした雰囲気を纏っていた。
オレンジペコからは大きく遅れたとはいえ、さすがは一年坊にして紅茶の名前を賜る未来の幹部候補と言った所か。
お上品極まりないお嬢様にとって細やかな楽しみが幹部の追っかけなのか、試合を応援し、その時だけは目一杯はしゃぐ生徒は多い。
ちやほやされるのは悪い気はしないし、紅茶の名を賜る前から応援してくれた生徒には感謝もしている。
本当にルクリリを慕っている生徒は勿論、単にルクリリの経歴を見て映画でも眺める気分で応援しているような生徒も、変わらず感謝の対象であった。
そんな存在に苛立ったこともなくはないが、今では素直に感謝出来ている。
そんな追っかけ連中に、ニルギリも含まれていたのだが――しかしながら、彼女は異質な存在であった。
紅茶の名を関する少女を追っかける者の大半は、一般生徒か或いは戦車道を半ば諦めている二軍以下の連中だった。
自分には出来ないことをする姿に憧れているのか、自分自身では見ることすら叶わぬ夢を託しているのかは分からない。
だがとにかく、追っかけから幹部になれる者なんて、早々存在していない。
居るとすれば、それこそオレンジペコのように、憧れの背中を冷静に着実に追いかけられる者くらいだ。
ただ騒いでいるだけの少女にソレは出来ない。
ニルギリも、オレンジペコと同じタイプなのだろう。
その憧れの対象が、よりにもよってルクリリであるせいで、かなり異質な存在となってしまってはいるが。
「あー悪い悪い。でもほら、他の娘だったら、言葉遣いとか態度とか気をつけなきゃいけないしさ」
言葉遣いが未だに完璧ではないような平民丸出しの身ながら、紅茶の名前を冠した。
再三言っているように、ファンの大半はそこに惚れ込んでくれたのだろう。
少なくともルクリリはそう思っている。
しかしながら、大股を開いて空を仰ぐ姿を見せられるかと言うのは別問題だ。
物には限度というものがあるし、コレがファンの許容範囲を越えているであろうことくらい自覚している。
それに、「じゃあやるなよ」と言われると「この姿勢が楽だし、醜態晒した直後に姿勢まで気を使えるかよ」と思ってしまうルクリリだって、出来ることなら優雅にやりたいとは思ってるのだ。
今でもダージリンの姿には憧れるし、聖グロリアーナらしからぬ態度も改めたいとも考えている。
こういう姿は、隠すべきものであり、決して自ら見せていくものではないのだ。
「今ちょっと気分的に取り繕うのしんどくって」
それでもニルギリの前でだけならいいかと思えるようになったのは、ニルギリの前で醜態を晒し慣れたからか。
同じ小隊で無様な姿を見られたことだってあるし、偉そうに先輩風を吹かせていた相手が瞬く間に追いついてきた焦りでおかしな態度を取ってしまったこともある。
言葉遣いだって、先輩相手なら敬語を使わざるを得ないのでどうとでもなるが、後輩相手だとどうしても砕けてしまう。
にも関わらず同じ紅茶の名前を関する者であるせいでやりとりする機会が多く、淑やかさに関してもニルギリの前ではボロを出しまくっていた。
それどころかフォローされてしまうことが度々あり、自分のプライドを保つためにも、何時しか「ニルギリなら、まあいいか」になっていたのだ。
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