10:名無しNIPPER[sage]
2017/10/09(月) 03:08:11.39 ID:Qz0ENqNrO
「杏奈っ。一緒にお昼食べない?」
「えっ……」
えっ。
杏奈にしては珍しく嫌な顔を一瞬浮かべられて、思わぬショックを受ける。
私がそのことで傷ついた顔をしていたのか、杏奈はすぐに否定するようにパタパタと手を振ってくれた。
「百合子さんと、食べようかなって思ってて…………」
「あぁ」
確かに、杏奈と百合子ちゃん仲良いもんね。いつもお昼時の私は翼のことしか見てなかったから、他の人たちがどう過ごしているのか全然知らなかった。
それは悪いことしたかも、そう思って引き下がろうとすると、
「でも、良いよ……未来可哀想だもん……」
「ホント? ありがと、杏奈!」
そう言って抱きつこうとしたら、杏奈にさらっと避けられてしまう。「痛いっ」「汗臭いし、寄らないで……」ひどい。
床に再び倒れこみながら、思う。
翼ならこんな私でも抱きしめ返してくれるのになぁ、なんてね。
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