少女「世界最後にひとつだけ――」
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34:名無しNIPPER[saga]
2017/10/09(月) 01:52:14.09 ID:YMnG/wTI0
少女「あああああああああ…………あ? あれ? なんか……浮いて……」

男「俺と少女だけじゃない。雨粒も、スクーターも宙に浮いたままだ」

少女「あ、私知ってます。これあれでしょう? 走馬灯ってやつでしょう?」

男「……いや、違う。これは――」

――『都内の重力波に異常予報 無重力空間の発生の可能性』

男「奇跡ってやつだな」

少女「いきなり何言ってるんですか」

男「おそらく今ここは無重力状態だが、いつまで続くかわからない」

少女「むじゅうりょ……あぁ、そういえば新聞で……。ありふれたオカルト記事のひとつだと思ってました」

男「俺もだよ。それより少女、まだ足届くだろ。スクーターを蹴って反動で地面に向かえ」

少女「先輩はどうするんですか……!」

男「俺のことはもう見捨て……ないで俺の手も一緒に引いて地面に向かってくれ」

少女「そこはかとなくドラマ性が失われた気がします」

男「ドラマより命だ」

少女「違いないです」


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