ちひろ「火の七日間」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/07(土) 14:19:59.54 ID:nV9jNYP30
みく「Pチャン……。今夜、ちょっといいかにゃ」

P「ああ。問題ない。スケジュールに余裕はある」

状況を打開するため、
前川みくはアイドルを代表してプロデューサーに直談判を行うことになった。
一方でプロデューサーもまた思うところがあり、
みくを伴ってマルメターノおじさんの屋台へと赴いた。


P「みく。俺とお前が会ってから、もうどれくらい経ったかな……」

みく「みくが15歳の時にオーディション受けて、あれ?何年経ったんだっけ?アイドルになってから、
バレンタインもクリスマスも何度か経験してるけど、みくって15歳だよね?あれ?えっと……?」

P「短いようで、長いようで、そんな時間が経ったな……?」

みく「何で疑問形なの?」

P「俺と最初に会った頃のこと、覚えてるか?」

みく「勿論だよ。オーディション落ち続けて、アイドルを諦めようとした時にPチャンがこの事務所のオーディションに誘ってくれたんだよね。
昨日のことのように覚えてるにゃ」

P「そうだったな……。みく。実はな、最初、お前のことはプロジェクトの欠員の穴埋め程度にしか考えていなかった」

みく「え?ひどくない?」

P「ああ。最初はな。だけど、お前と一緒に仕事をする内に俺はお前を誤解していることに気付いた。
ふざけているようなキャラ設定に見え隠れする高いプロ意識、自分のキャラクターを貫く意志の強さ、バラエティもこなす柔軟性、
最初から持っていたアイドルという職務に従事する人間として弁え。
俺が求めていたアイドルはお前なんじゃないかって、今でもそう思っている」

P「ウチのアイドルは誰もがカボチャの馬車の中だ。誰もまだ城に辿り着いちゃいない。舞踏会にすら出ていない。
綺麗なドレスとガラスの靴を与えられただけだ。誰もがまだ道の途中なんだ」

P「みく。お前が持っているプロとしての心意気を、他の奴らにも伝えて欲しい」


みくは、自分を拾ってくれたプロデューサーを深く尊敬していた事もあり、
その言葉に感銘を受けた。
後に全アイドルが怨嗟の念を込めて「マルメターノおじさんの裏切り」と呼んだ
このみくの変節は、この事態の推移を最後まで決定付けてしまった。



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