乙倉悠貴「夢をひらく鍵」
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32: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:59:58.01 ID:h7xFOhfZ0

「ふぅ……楽しかったですねっ!」

観覧車の中、私は2人に話しかけます。
あれから私達はメリーゴーランドにジェットコースター、お化け屋敷とたくさんのアトラクションで遊びました。
いっぱい笑って、いっぱい叫んで、ここが夢の中だということを忘れてしまうほどで……
でも、楽しい時間も終わりの時が来ようとしていました。

「おう! なぁ飛鳥!」

「フフッ、そうだね……とても、楽しかったよ」

さらに薄くなってしまった手を寂しそうに見つめながらも、2人は笑って答えます。
良かった……2人とも元気になってくれたみたい。

「そろそろ帰る時間だ」

「そうですか……。本当に、ありがとうございましたっ!」

別れる前にありがとうの気持ちを2人に伝えます。
1人じゃここまで来れなかったから……

「感謝する必要はない。ボクたちはボクたちの役目を果たしたに過ぎないからさ」

「そうじゃ、それに悠貴がお礼を言うのは本当のうちらの方じゃ」

「でも……感謝されると悪い気はしないね」

「飛鳥さん……巴さん……」

観覧車の窓からは遊園地を見渡すことができました。
そして空も星空から夜明けの空へ、きっと私も起きる時間なのでしょう。
短い時間ではありましたが、ここでの出来事を忘れないようにしたいと心で思いました。

「さぁ、起きる時間だ」

「今日はライブじゃろ? 気張ってけぇよ!」

「はいっ! 頑張りますっ!」

ここまで私を連れてきてくれた2人に深々とお辞儀をします。
それを見た2人は最後ににこっ、と笑うと観覧車の中は暖かな夜明けの光に包まれていきました。

……ピピピッ……ピピピッ



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