【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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461: ◆nN35Xsj1FM[saga]
2017/12/21(木) 23:06:59.96 ID:HXtQ4l4h0
結論から言ってしまえば、管理者は、先程あった諸々のやり取りを覚えていなかった。
どうやら、自分の経験則……「壊れたものには斜めに手刀を呉れれば結構直る」というのは、人間にも適用されるらしいと、妙な確信をアルジールは抱く。
実際の所、それがどの程度正しいかなど、分からない。
しかし、それはそれとして、確かにおかしくなっていた管理者は戻った。だから、それで良かった。
ただ、先の様に、苔むした骨のことには一切触れないように、同じ話題を聞き直すのは、少し骨が折れたが。
ともあれ、その結果として、アルジールに与えられた報酬も判明した。
410ドラール。郷里の近くの鉱夫が一日に貰う額と、殆ど変わらない。
自分の年若さからすれば、信じられない程の高収入だった。
また、鑑定された現物は、一度アルジールの手元に戻された。売却を望むなら、管理者に話を通せば、然るべき筋へ売却可能だという。
今のところ、金には困っていない。必要ならば手放す、という方針で差し障りはないだろう。

「……はぁ。昨日から、疲れることばっかり」

一旦自室に戻って、ベッドでため息を吐く。一体、何度私は驚かされたり変な体験をすればいいのだろう。
探険をしに私は田舎を出てきたのであって、都会の真ん中で、こんな不思議なことにばかり出会しても、こう、何か求めているものとは違う。
それに、姉を探す目的に資することは、何も起こっていない。

人見知りのするアルジールは、赤の他人が絡まなければ、意外と前向きな根っこを持っている。
しかし、それを踏まえても、何度も重なる不思議な出来事は、彼女の精神に負担を掛けていた。


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