【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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277: ◆nN35Xsj1FM[saga]
2017/10/11(水) 23:03:05.93 ID:qBrf68q60
「――――」

突如、閃光が煌めく。咄嗟に伏せた顔にまで届くその光は、直接見ていない筈のアルジールの視界をも遮った。
しかし、それより影響が大きかったのは、悪魔の方であった。
恐らくは、光に弱い種類だったのだろう。閃光が止み、視界が戻ったアルジールは、苦悶の咆哮を上げ、逃走していく悪魔の後ろ姿を見た。

「……た、すかった?」

呆然と、その場で立ち尽くす。
自分の生命が助かったのだという、その事実。それを咀嚼するまでは、もう暫くの時間を必要とした。
そして、この生命を救ってくれた何者かが存在している事へ思い至るまでは、更に少し。

「ふむ。ようやく落ち着いたと見える」
「あ……」

その声の主は、彼女の背後から姿を現した。
擦り切れきった外套。土気の色をしたそれは、すっかり草臥れきっている。
目深に被った鍔広の帽子が落とした影は、月を隠し、人影の顔を隠していた。

「さて、立てるかな。お嬢さん」


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