【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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166: ◆nN35Xsj1FM[saga]
2017/10/07(土) 19:34:00.78 ID:yTAmIK1d0
「……あ」

思い出した、と、アルジールは零した。
あれは、何時のことだったか。祝い事に必要と言って、牧場に肉を貰いに行く親に、一度だけついていったことがある。
その時に、確かに見て、そして確か、触れることもした。

親と牧場の旦那が、牛小屋の前で何かを話し合う。そして、話がまとまると、旦那は一度、牛舎に入っていった。
出てきた時には、育てていた牛を一頭、連れていた。
彼はそのまま、その牛を密閉された部屋へ連れていき、扉を閉めた。
そして、牛の絶叫が聞こえてくる。
彼が部屋から出てきた時、着ていた作業服には、血しぶきが飛び散っていて。
その手にぶら下げられていたのは、色鮮やかな赤い肉と、わずかに飛び出た骨。

そうだった。あの時見た骨の形に、この緑のものはそっくりなのだ。
苔のせいで手触りまでは分からない。しかし、重さも、良く思い出せば、これほどの重さだったように思う。

「……骨、かぁ」

少しだけ、唸るような声をあげて、アルジールは眉を顰めた。
ということは、きっと、彼女が懐に入れた小さい方も、多分骨なのだ。
嫌なものを思い出しもしただけに、余り、良い気分のするものではなかった。


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