90: ◆hfr5rHILM6
2017/09/29(金) 22:09:23.03 ID:Rfh6XpPD0
「むー……」
四人に遅れて風呂場から出てくると、雪見大福のように頬を膨らませたロリはすが、こちらをジーっと睨み付けていた。
元の彼女であれば、多少の迫力というものも感じられたのだろうが、この姿ではただ可愛いだけである。
多少申し訳なさそうな顔でリビングの方に行くと、ロリはすはこちらにててて、と駆け寄ってきた。
ソファの方からは、ロリノ下とロリヶ浜の白い目がこちらを見つめている。
「もー!! はずかしかったんですからね、せんぱいのばか! こどもだからって、はずかしいのはかわらないんですから!」
「悪い悪い」
「ぜんぜんわるいとおもってないでしょ!」
ロリはすはひそひそ声で怒るという器用なまねをしながら、俺の膝をぽかぽかと叩いてきた。全然痛くない。
小町は意外にも全然怒る素振りを見せず、風呂上りの牛乳を飲みながらあっけらかんと笑っている。
「あはは。ななはちゃんはお兄ちゃんに見られて恥ずかしかったんだよね?」
「うん……。すごくはずかしかったよー……」
「そっかそっかー。……これは義姉ちゃん候補に入れておくべきかな? いやしかし……」
小町ちゃん黒い黒い。本音が表情と口から駄々洩れである。
ロリはすはまともに取り合ってない俺の態度がお気に召さなかったのか、ほっぺのいろはす餅が更に膨らんできている。めっちゃ指でつんつんしたい。
ふしゅー、という間抜けな音と共にほっぺの中の空気が抜けたかと思うと、ロリはすはちょいちょいと俺を手招きしてきた。
何かと思ってしゃがむと、彼女は俺の耳元に口を寄せて、そっと。
「またセキニン、とってくださいね♪」
と小悪魔ボイスで呟いてきた。幼女でもそんな声出るのかよ。ロリコンじゃないのにちょっとときめいてしまった。
「ひっきぃ……?」
「ひきぎゃやくん……」
ちょっと顔を赤くしただけなのに二人の幼女からの視線が非常に痛い。
そんな視線を意に介さず、ロリはすはまた、ん! と両手を広げたかと思うと、俺の胸の中に飛び込んできた。
「おにいちゃん、こんどはだっこー♪」
「へいへい……」
多分一色は子供の頃から、こんな感じで甘え上手だったんだろうな。
ロリはすを胸の中に抱えながら、俺はそんなことを考えていた。
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