244: ◆hfr5rHILM6
2017/10/04(水) 22:18:49.46 ID:4qDlJarH0
結局ドタバタしてる間に二時間目は過ぎてしまい、現代文はまるごと自習の時間となったようだ。教室組のやつらはさぞいい気分を味わったことだろう。
平塚先生ほどとは言わないが、いろいろと心労を抱えさせられている俺からすると妬ましい対象でしかない。
いつの間にか俺の隣で一緒に歩いているロリヶ浜さんは、先ほどよりは少しは落ち着いたようだが、相変わらず落ち込んだ表情で袖を掴みながらとことこと歩いている。
不安しかないまま教室に戻ると、まるで爆弾でも見るかのような視線が一斉にこちらを向いた。心臓に悪いからやめて。
それに怯えたのか、ロリヶ浜は俺の後ろに回り込んで辺りの様子を窺っている。
いやほんと、普段の誰にでも物怖じしないガハマさんは何処に行っちゃったの?
まぁロリノ下でもキャラ崩壊してしまっていたし、幼女になってもキャラ崩壊していないのなんてロリはすくらいのものなのだが。
俺がガタブルしている幼女を連れて恐る恐る席に戻り、着席すると、ロリヶ浜さんはためらわず俺の膝の上に座ってきた。
そこ椅子じゃねーから! とよほど叫びたかったが、これ以上周りから奇異の視線で見られるのは避けたい。
まあ、いきなり幼女に泣きつかれたと思ったら教師と一緒に教室を出て行って50分間話し込んで帰ってきたと思ったら今度は幼女と一緒に席に座っている男子高校生よりも奇妙なものがこの世に存在するかどうかは知らないが。
俺がなるべく目立たないように身を縮こまらせていると、恐る恐ると言った風体で戸塚が話しかけてきた。
「……お、おはよう八幡。えと、その子って……」
「すまん戸塚。今回ばかりは触れないでくれると助かる。とりあえずこの後の授業はこいつと一緒に受けることになったから」
「そ、そっか。わかったよ。……ええと、君のお名前はなんていうのかな……?」
戸惑いながらも謎の幼女とコミュニケーションを取ろうとする戸塚マジ天使。
その天使の笑顔に心を解されたのか、ロリヶ浜さんも怯えることなく自分の名前を伝える。
「……えっと、ゆみです」
おお、ちゃんと設定を覚えてたのか。それが出来るなら初めから取り乱さないでほしかったんですけど。
「そっか、ゆみちゃんか。八幡お兄ちゃんのところに遊びに来たのかな?」
「う、うん。おにいちゃんといっしょにじゅぎょううけるの」
「そうなんだ、頑張り屋さんだね! 一緒に頑張ってお勉強しようね」
戸塚はもう一度ニコリと微笑んだ後に自分の席に戻っていった。
やっぱり戸塚って天使だわ。
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