八幡「雪ノ下たちが幼女になってた」
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157: ◆hfr5rHILM6
2017/10/02(月) 01:37:33.32 ID:CaHdD4r20
「ふぁ……ねみゅい……」

 ロリヶ浜さんの漏らしたその声を聞いて、俺は壁に掛けてある時計を見た。時刻は十時半。健全な男子高校生にとってはまだ夜の序の口にすぎない時間帯だが、お子様にとってはもうおねむになる時間らしい。

 声こそ漏らしていないものの、ロリはすも生あくびを繰り返したり、目を何度も擦ったりと、眠気に頭が支配されていることは明確であった。

 しかし、普段は深夜まで夜更かししているのが当たり前の俺。この時間帯では眠くなるどころかあくびの一つすら出てこない。

 ひとまずこのお子様たちを先に寝かしつけるのが急務だな。

「おいお前ら、眠いなら歯磨きして上上がれよ。小町の勉強が終わったら一緒に寝ればいいだろ」

「やー……くあぁ、ひっきぃといっしょにねるー……」

 ロリヶ浜はもはやうつらうつらと舟を漕ぎ始めている。

「よふかししたいからってやっかいばらいですかー……? ふっふっふーあまいですよー……あふ」

 完全に目的ばれてるじゃねーか。

 だが二人とも抗いがたい眠気に襲われているのは間違いない。俺は膝の上で船を漕いでいる二人を腕に抱えると、そのまま二階へと向かった。

 二人が腕の中で弱弱しく抵抗するのを感じたが、所詮は子どもの抵抗。難なく二階まで二人を運んで、小町の部屋の前に立った。

「……お前らも、小町と一緒に寝る方がいいだろ」

 ぼそりと呟いて、小町の部屋の扉を開けると、ベッドで同じように舟を漕いでいるロリノ下と、一生懸命勉強している小町の姿が目に入った。

 ドアの音に気が付いたのか、小町がこちらに振り返ってくる。

「わり、邪魔したか」

「ううん、大丈夫だよ。……あら、二人ともおねむかな?」

「あぁ。お前の部屋で寝かしつけたいんだが、大丈夫か?」

「大丈夫だよー。私も十一時ぐらいには勉強切り上げて寝るから。そしたらみんなと一緒に添い寝だね!」

「そうだな。……頑張れよ」

「うん。ありがと」

 こうして必死に勉強している小町を見ると、やはり子ども三人の世話を引き受けるというのは彼女にとってかなりの負担なのではないかと感じる。

 それでも、なんというか、彼女たちは放っておけないのだ。

 その理由は……まぁ、分からないとは言わないが。

 俺は小町にもう一度激励の言葉を掛けた後、一回のリビングへ戻っていった。

 いつも通り夜更かしをして、そのうち瞼が重くなってきて。

 そうして、この幸福のような、不幸のような日々の一日目は幕を閉じたのだった。


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