41: ◆xpQCrK1/VWY5[sage saga]
2017/10/09(月) 23:25:34.39 ID:prRquFHy0
京太郎は隣でカリントウを食べている春を見る。前の時は名前だけ知っていた。あとあの人と仲が良かった事が印象的だった。ただそれだけだったが…
「どうかした?」
今は隣でカリントウを食べている。不思議な事もあるものだ。
「ここにカリントウがついてる」
頬についたカリントウを摘んで食べる。
「ありがとう…明日ね、姫様に会うの」
姫様。この頃から交流があったのか。
「キョータローは姫様に会いたい?」
「いやいい」
即答してしまった。春は少しだけ驚いた顔をしている。
「明日は用事があるんだ」
「…そうなんだ」
嘘ではない。明日、従姉妹が来ると母が言っていた。すまない、春…俺はあまり姫様が好きじゃない。苦手なのだ。無邪気で眩しくて、俺とは別の世界の人だ。
「……えい」
春が俺の口にカリントウをいれる。
「キョータローはたまにぼうっとしてる…だいじょうぶ?」
どうやら心配させてしまったようだ。
「大丈夫、大丈夫。ありがとうな、春」
カリントウを食べながらくだらない思考を片隅に置いやった。
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