34: ◆xpQCrK1/VWY5[saga]
2017/10/04(水) 17:02:40.80 ID:hP+QSp0sO
滝見春にとって須賀京太郎は都合の良い幼馴染だ。春が一人だとカリントウを買いに行けないが京太郎が居ればお母さんは駄菓子屋に行って良い言う。
「キョータロー」
「どうした?」
京太郎と手を繋ぎ、何時もの道を歩く。少し疲れるが京太郎と歩けばそんな事はない。
「キョータローが大人になったらハルがお嫁さんになってあげるね」
少し照れるが春は京太郎と駄菓子屋に行くたびにそれだけ言って黙る。
「またそんな事を言って……春が大人になってもそうなら頼む」
春は知っている。京太郎がいつも耳を真っ赤にしてる事を。だからきっと京太郎も春の事が好きなのだと思ってる。
「ほらそろそろ着くぞ」
そう言って京太郎が指を指す方向に駄菓子屋が見えていた。
「今日もカリントウを食べるのか?」
「うん」
春はカリントウが最初から好きだった訳ではない。京太郎が初めて会った時にくれたのがカリントウだった。
ただそれだけ。それだけだが春はカリントウが好きになった。
「本当にカリントウが好きだな」
春にとって京太郎は都合の良い幼馴染だ。手を繋いで駄菓子屋に行き、好きな物を一緒に食べてくれる。
「うん」
そんな幼馴染が春の初恋の相手だ。
67Res/20.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20